死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

相手にアジャストする=出力を合わせる

この土日のテニスで気づいたことがまた自分のテニスを進化させる大きな気づきになり得ると感じたので書いておく。

 

気づいたことは以下だ。

 

「相手が打ったショットの出力に、次に自分が打つショットの出力を合わせればリスクは激減する」

 

私の場合、これをベースとしたことでアンフォースドエラーを減らせることができた。さらにそれに、以前の投稿「下半身万全で意図して打ち続けるだけ」に書いた「意図」を掛け合わせることで優位な展開にしやすくなる。

 

2つ前の投稿「藤沢市選手権シングルス一般3R」で「コピー・ザ・プレー」と書いたが、それはつまるところ出力を合わせるということだ。

 

まずは相手の鏡のようになる。そこに意図を加えていく。それこそが自分のテニスなのだ。

 

コピー・ザ・プレーじゃない。
ミラー・ザ・プレーだ。

 

もっというと、「ミラー・ザ・プレー・アンド・インテンド(intend = 意図する)」だ。

 

これは、相手に付き合うという悪手とは大きく異なる。意図があるからだ。意図がなければ相手のペースに引きずり込まれることになるが、意図があればそうはならない。

 

ここからは、「出力を合わせる」を具体的に説明する。

 

ここでいう出力は、相手の打ったボールの球威と言い換えるとわかりやすい。あるいは、ラケットがボールを捉えている瞬間のスイングスピードとも言い換えられる。プレーヤーがボールに与えるエネルギーが出力だ。

 

ちなみに、球威だけでなく球種まで合わせるとさらにリスクは小さくなる。

 

よくあるわかりやすい例が、スライスを打たれたらスライスで返すというシーンだ。スライスはスピンで無理に持ち上げるよりも、同じくらいの球威、かつ同じような弾道のスライスを選択した方が無理なく返球できる。

 

ただ、個人的な実践結果から言うと、球種は必ずしも合わせる必要はない。相手がボールに与えた出力を合わせるという解釈くらいがちょうどいい。その方がプレーに幅を出しやすく、意図を加えやすくなるからだ。相手のペースにものまれづらくなる。

 

また、球威を応用した戦術のひとつに緩急がある。実は今回この確信に至ったのは、緩急をつけてくる相手とマッチをしている時だった。

 

緩急には、出力を変えない緩急と出力を変える緩急がある。

 

出力を変えない緩急は、回転量を変えてボールのスピードと弾道を変えることで相手の打点をずらし、ミスを誘うことを目指す。相手がこれをしてきた時にリスクを下げたければ、球種も合わせた方がいい。

 

出力を変える緩急は、例えばフラットなら、低く強いフラットと高く緩いフラットのように球威を変えることで相手の打球の飛距離を狂わすことを目指す。相手がこれをしてきた時にリスクを下げたければ、球種以上に、球威=出力を合わせた方がいい。

 

プロは後者は使わないが、アマチュアやベテランの場合、この緩急の使い手は少なくない。

 

そして、今回の私の気づきはどちらかというと後者の話だ。

 

これまで私は、相手が出力を変えていようが変えていまいが、それをガン無視して、自分が打ちたい出力をボールにぶつけていた。

 

そりゃミスするに決まってる。通りでアンフォースドエラーが減らないわけだ。

 

マチュアにとっては、緩いボールを強く打ち抜くことや強いボールを緩く打ち返すことは、同じ球威で打ち返すよりもはるかに難しい技術なのだから。

 

また、試合では「まず相手に合わせる」「まず相手にアジャストする」という話はこれまで何度も聞いてきた。

 

しかし、ずっとできなかった。その理由もこれだ。

 

合わせるべきは「タイミング」と考えてきたのだが、それが間違いだったのだ。合わせるべきは「出力」だ。

 

これでもう、次元の違う相手でない限り、誰が相手でも試合序盤からアジャストできる。