死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

鎌倉トーナメント一般シングルス

今年も初夏のクレーコートで3セットマッチという過酷な大会、通称「鎌トー」の一般シングルスに参戦した。

 

2年連続ベスト4なので今年は準決勝の壁を超えたい。

 

と思って望んだが、3Rで筑波大学体育会の4年生に 46 62 7-10 で競り負けた。悔しい。

 

自分のテニスができなかった。

 

相手のスピードで打ち合うために必要なフィジカルを持ち合わせていなかったために、自分の打点で打てることが少な過ぎたのだ。

 

いや、厳密には、フィジカルが足りなかったというよりも、あのスピードで身体を動かすことを普段からやれていなかったために、最後まで瞬発的な反応をアジャストできなかったのだ。

 

そのため終始騙し騙しとなった。そんな中ここまでやれたのだから上等という見方もあるが、逆にここまでやれたから悔しさが残る。

 

後手後手となり余裕がまったくなかったために、最後に相手を引き離すことができなかった。

 

相手が危険を感じとり冷静になるとプレーの質が上がり、どうしてもこっちが引き離されてしまうのだ。

 

ここまで競ることができたのは、騙し騙し上手くやれていたからというよりは、相手の若さゆえの脇の甘さがあったからと言った方が正しいだろう。

 

最後まで、相手を本当の意味で焦らすことかできなかった。

 

というわけで、課題は明確だ。

 

ベテランでも上に行くとこのような選手はいる。それを想定して普段の練習相手を選ぶ必要がある。

 

人は、普段からゆっくり動いていると素早く動くことができなくなる生き物なのだから。

 

たとえ、練習相手が遅くても、一歩目だけは強度を高めて素早く出すという工夫も有効だろう。

 

日々意識していく。

毎トー40歳シングルス準々決勝

毎日テニス選手権大会、通称毎トーに今年も出た。人生2度目の挑戦だ。

 

2回戦の第7シードを含め3回勝ち、準々決勝は6/2(木)9:00からとなった。会場は有明テニスの森の屋外オムニコートだ。

 

相手は第3シードで4月の東京オープンでファイナルセットの末やられた選手。リベンジに燃えないわけがない。

 

がしかし、この日は仕事の調整がどうしてもつかない。11:00から顧客とのオンラインミーティング、14:00からは来客対応が入っていた。

 

実はこの大会は雨の影響で土日がほぼ両日中止となりスケジュールが大きく後ろにずれ込んでいたのだ。

 

どうすることもできないか…。

 

いや、待て。その日の9:00は雨予報ではないか!再び延期になればワンチャンある。翌日の金曜日なら仕事の調整はつけられる。

 

当日は集合することになるだろうから現地に行って受付をする必要がある。その後、すぐに職場に戻れば仕事に間に合う。延期になれば…

 

当日。

 

予報通り夜から降り続ける雨の中、テニスの用意は一切せず、仕事の格好のまま有明まで足を運んだ。

 

有明も普通に雨が降っておりコートには水たまりもできている。よし、予定通りだ。午後には止む予報なので午後からの人はやるかもしれないが、午前の人は延期になるはず。

 

大会の受付を済ませた。さぁ、すぐ仕事に向かわねば。

 

がしかし、ここで想定外のことが起きた。

 

受付係「はい、宮田さんですね。2番コートになります。相手はまだいらしてないので(試合で使う)ボールをお渡ししますね。お持ちになってお待ちください」

 

えーッ!水たまりになってるのにやる想定の対応?なぜ?ボールを渡されてしまっては職場に向かえないではないか。

 

しかしここで「なんで?」と話をしてしまうと「あなたは棄権ということですね?」となってしまうため抵抗できない。一度受け取ってからどうするか考えよう。

 

その受付は有明のインドアコート施設内にある。そこでは練習前の入念な準備運動をするプロ選手たちがいた。それを眺めながら考える。

 

遅くてもあと30分以内に仕事に向かわねば。オフィスで対応することを予定していたオンラインミーティングに間に合わない。まずはこのボールを相手に渡さなくては。

 

しかし、相手はまだ来ていない。どうする?!

 

もしかしたら相手が来ずに不戦勝となる可能性もゼロではないが。

 

そんなことを考えながら焦りが募る。と同時に、有明の施設内でコソコソしている自分がいる。

 

というのも、自分の格好は場違いだったのだ。有明はテニスの聖地。テニスの格好をした人しかいないのに、自分だけ私服だったのだ。

 

時間だけが過ぎていく。まずい、もうオフィスに戻っていてはオンラインミーティングには間に合わない。どこかで場所を見つけて外から参加しよう。

 

そう決めた頃、同じく勝ち上がっている仲間が会場に現れた。相手はまだ来ていない。そうだ、ボールは彼に預けて相手が来たら渡してもらおう。彼は快く引き受けてくれた。

 

その直後、運営から次の案内があった。

 

「雨はこのあと止む予報なので、9:00から予定していた試合は12:00からとします」

 

えー!そのパターンがあったか!

 

相手が来なければ自分が不戦勝だが、来たら相手が不戦勝となることが確定した。

 

仕方ない、気持ちを仕事に切り替えなくては。次にやらないといけないのは、オンラインミーティングのできる場所を探すことだ。

 

雨の降る有明テニスの森にはほとんど人が出歩いていない。また、施設が新しく、公園内の公共のトイレはとても綺麗だ。多目的トイレも完備されている。

 

これだ!鍵もコンセントもあるではないか!

 

そう、11:00からのお客様とのオンラインミーティングは公衆トイレの中から参加することになった。営業職のため顔出しもするが、背景は画像で隠せるから問題ない。

 

無事、オンラインミーティングを開始できた。

 

しかし、5分ほどが経った頃、問題が発生した。多目的トイレの電気がセンサー式で人の動きを検知できず消えたのだ。

 

その瞬間、画面に映る自分が幽霊のような黒い影になった。やば。見られたか?

 

平静を装い足を後ろに大きく動かして電気をつける。

 

そして、通信の問題によるフリーズや音声遅延の予防を目的にカメラをオフとさせていただくことにした。

 

もちろん本当の目的は自分が幽霊になる瞬間を5分おきに見られることがないようにするためだ。

 

12:00、無事オンラインミーティングを終えることができた。実際のところ、お客様の満足度の高い会となり、このお客様は現在も製品導入検討に前向きだ。

 

ふぅ。トイレを出ると雨は止んでいた。

 

遠くから2番コートを眺めると、そこには相手の姿があった。

 

今年の毎トーはベスト8に終わった。

神奈川オープン40歳シングルス連覇

小さな大会ではあるが、相手のレベルも高く楽な戦いではなかったので、しっかり自分を褒めたい。

 

会場は小田原テニスガーデンだったのだが、決勝の相手は長野県から遥々来ている超爽やかイケメンの強者だった。

 

決勝当日は今年初めての季節外れの真夏日にも関わらず、こんな出来事があった。

 

その日予定されていた戦いを終え、帰り支度のため更衣室で新しいパンツに履き替えた直後、つまり、パンツしか身に纏ってない姿の時だ。

 

決勝の相手が「決勝も今日やりませんか?前の試合、宮田さんそんなに疲れてないかなと。事務局は宮田さんがいいと言えばいいと言っています」とか言うではないか。

 

「えー!これからスマホでワールドカップの日本戦観ようと思ってたのに?」とか思ったが、すぐに「それはハイライトでいいな」となり承諾し、もう一度汗でびしょびしょのパンツとシャツを着ることになった。

 

試合は30分後。急いでコンビニに行き、スポドリとウィダー、バナナ、ロックアイスを購入して決勝戦に臨んだ。

 

1ポイント目から長い打ち合いだ。

 

それはそれは死闘だった。デュースありのルールということもあり多分2時間くらいやっていたと思う。最後はふたりとも足を吊りかけていた。

 

結果、64 64で優勝することができた。紙一重の差を制す、我ながらとても良い試合だった。

 

次は毎日テニス選手権だ。この勢いのまま地に足のついたテニスで戦い抜く。

あの負けは愚かだった

先日、小田原リーグ2部の試合で、シングルス3番手で出ていた自分が、勝たないといけない試合に負け、4勝5敗でチームも負けるという経験をした。

 

この5敗の内、自分の対戦以外は相手の方が明らかに実力が上でストレート負けだったが、自分は1セットアップから逆転負けを喫したのだ。

 

この負けが、愚かだった。

 

一言でいうと、試合に勝つことを第一に考えることができていなかったということになる。

 

これは言い訳だ。しかし、個人的にはとても難しいシチュエーションに陥っていた。

 

 

相手は高校2年生で、父親がコートの後ろでカメラを回しながら見ていた。

 

序盤、本領発揮できずにいる相手は父親に声をかけられ何か言われていた。

 

しかし、彼のプレーは改善されず、むしろ余計にちぐはぐし始めた。それを感じとり、私はその父親に怒りを覚えた。

 

「お前のアドバイスがクソなんだよ。

 

プレーも改善されなければ、子供が自分で考える力まで奪ってるじゃねーか。気づけよ。

 

親の目を気にしながら生きる人間に育てあげたいのか?子供は親に言われなくても自分で考えられるようになるんだよ。

 

どうせ日本中にいるバカ親ども同様、『あいつを見てると考えているようには見えない』とかほざくんだろ。

 

そうじゃねーよ。人間は本当に自分にとって重要なことは考える前に無意識に感じてるんだよ。命の危険を感じたら誰だって考えずに感じて逃げるだろ。防衛本能が働く。それと同じなんだよ。

 

このままだと試合に負けると感じたお前の息子は必ず試行錯誤する。言語化して考えることができなくても、その策をお前に説明できなくても、試行錯誤するし、今もしてるよ。

 

そして、お前が何も言わなくても解決策を見出すことができる。

 

にも関わらず、お前が見当違いのことを言うからプレーがちぐはぐしちまうんだよ。

 

もちろん、相手との実力差が大きければ解決策を見出せないまま終わることもあるだろうよ。それでも、その試行錯誤が考える力につながるんだよ。

 

間違った試行錯誤をして遠回りしたり、失敗することもあるよ。それでもその失敗こそが急成長につながるんじゃねーか。

 

コーチでもない素人のお前が、テニスで真剣勝負もしたことのない素人のお前が言うことなんて、何の足しにもならねーよ。

 

黙って見てろ。この、バカ親が」

 

こんな主旨の想いが込み上げ、チェンジコートの直後、私はその父親に半ばキレ気味にこう言っていた。

 

「お父さん、試合中に声かけない方がいいですよ。それをしてしまうと自分で考える力が育たないんで」

 

父親は小さく「はい」とだけ答え、その後はそれに従っていた。

 

それ以降、明らかに相手のちぐはぐが薄れていくのがわかった。先にワンブレイクしてリードしていたがブレイクバックを許すことになる。

 

「ほらみたことか」

 

私は父親に対してそんなことを思っていた。そして2ゲーム後、もう一度、父親に言った。

 

「人はこうやって考えられるんです。たとえ考えていないように見えても、感じてます。危機管理能力で感じて対応します」

 

そりゃあウザかっただろう。それでも父親は黙って聞いていた。

 

追いつかれたが、相手がまだ上がりきっていないことはわかっていた。第10ゲームを再度ブレイクし、1stセットは何とか6-4で締めることができた。

 

しかし、問題はここからだった。

 

彼の適応能力、戦術の変化に私は驚きながら、とても手を焼いていた。と同時に、彼の「自らの力で問題を解決していく姿」に感動を覚えていた。

 

「やっぱり。君はお父さんが思っているより余程素晴らしい力を持っているよね」

 

2ndセットは2-6で一蹴され、勢いそのまま、ファイナルセットのスーパータイブレークも4-10で打ちのめされたのだ。

 

不思議なことに、悔しい気持ちよりも嬉しい勝ちの方が大きかった。

 

子供は皆、素晴らしい。

 

テニスコーチや育児から離れて久方ぶりに、またその瞬間を肌で感じることができたのだ。

 

最後のスーパータイブレークは相手の応援が盛り上がっていた。その時は気づかなかったが、相手は勝てばチームの勝ちを決めることができたのだ。

 

試合後、私は彼にこう伝えた。

 

「素晴らしい適応能力で、2ndセット以降はしっかりとボールを引きつけて打たれちゃいましたね。参りました」

 

コートから出た彼がチームに歓迎されているのを見て、私はチームが負けたことを理解した。

 

彼にとっては、人生を変える可能性があると言っても過言ではない、ひとつの重要な成功体験になったはずだ。

 

失敗体験はもちろん、こういうひとつひとつの小さな成功体験の積み重ねで子供は大きく成長していくのだ。

 

 

さて、ここまでは彼の人生視点の話だ。ここからはわたしの人生にとってどうだったかを書く。

 

わたしにとって、ここまでの話はやはり言い訳でしかない。試合後、チームが負けたことに気づき、中途半端な気持ちで勝負にコミットできていなかった自分を責めることになった。

 

久しぶりの後悔だった。

 

やはり、テニスの試合の真剣勝負では、何があっても「自分のために」最善を尽くすべきと猛省した。

 

だからこの負けは、やっぱり愚かだった。

久しぶりに体重を測って気づいたこと

2020年11月にガチでアマチュアのテニス選手活動をすることを決めてから2025年12月まで毎日のように体重計に乗っていた。

 

この間、痩せすぎだった身体を鍛え、体重を62kgから72kgに増やした。体脂肪率は11%から15%になったが、特に下半身の筋肉が明らかに増強されテニスのパフォーマンスは格段に上がった。

 

ちなみに、わたしはジョコビッチと身長がほぼ同じため、彼のスペックに限りなく近づけることを目指していた。具体的には身長187cm、体重77kg、体脂肪率12%だ。

 

つまり、体脂肪率を3%減らしながら体重をさらに5kg増やさないといけない。しかし、挑戦しながらこれがどれほど難しいことか知ることとなる。

 

筋力増強は不可欠なため、下半身だけでなく上半身もやり始めたが、下手に付けた筋肉が神経を圧迫して腕に痺れが出たのだ。

 

これまでジムで上半身を鍛えてテニスが改善したことがない上、たいていどこかが痛くなるという結果を招いていたため上半身のトレーニングはやめることにした。

 

引き続き、下半身と体幹だけとするが、今はウエイトではなく自重によるトレーニングを重視している。

 

この判断により、ジョコビッチのスペックを目指すのは断念することになるが、今はそれでいいと考えている。

 

さて、2026年になり、1〜3月はいろいろ重なり自分でも驚くほどテニス熱が下がってしまう期間があった。実はこの時、体重計に乗る習慣がなくなった。

 

4月以降はテニス熱が完全に復活し、体重計に乗ること以外にも習慣としていることが少し変わったものの、今は再び活動を軌道に乗せつつある。

 

そして先日、かなり試合中のテニスの感覚が良く、自分史上最強を更新できている感覚を自覚しつつ、久しぶりに体重計に乗ってみた。

 

すると、体重は70kgに減っており、体脂肪率は14%になっていた。

 

そして気づいたのだ。

 

ジョコビッチのスペックを目指して毎日体重計に乗っていた時にこの値が出ていたら「あ、やばい。フィジカル弱くなってる。だから、最近ボールの出力を上げられないんだ」と考えていたはずだ。

 

しかし今回は、自分史上最強の感覚があってのこの値だ。数字の受け止め方がまったく異なる。

 

そうか!やっぱりテニスは「論理」より「感覚」の方が重要なのだ!!

 

間違いない。特に自分は情報やデータの影響を下手に受けてしまうことが少なくない。そんなことよりも、実際の自分の感覚を大切にした方がいいのだ。

 

これは、地味だが、とても大きな気づきかもしれない。