死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

テニスにおける「リスクを取る」とは

ここ最近の投稿で「まずは相手に合わせた方がいい」「テニスにおける「相手に合わせる」とは」について書いた。

 

今回はこの話に大いに関係のある、テニスにおける「リスクを取る」とはどういうことかについて、言語化してみる。

 

これは、相手に合わせるとはどういうことかを自分の経験から理解した直後にテニス仲間に教えてもらい「なるほど!」となり、さらに自分なりに消化した内容だ。

 

実はこれまでリスクを取るとはどういうことかをちゃんと考えてこなかった。だから正直なところよくわかっていなかったのだが、彼と話したことでだいぶわかった。

 

ただし、考え方がわかっても、それをプレーに活かせるかはまた別問題ということもここ最近のテニスでよくわかった。

 

ここに書くことでさらに理解を深め、これから身体で覚えていく。

 

具体例も書くが、それよりもここで共有したいのは考え方だ。

 

まず、前提を合わせたい。テニスの試合でボールを打つそのシチュエーションは無限にある。ここに書くことが当てはまる場面もあれば当てはまらない場面もある。プレーヤーの技量によっても異なるだろう。

 

だから、前提を合わせてこの話を少しでも理解しやすくしたい。

 

前提1:

相手が打ったボールが存在し、それをどうするかという場面の話。

 

この話は試合で相手とボールを打ち合っている時の話だ。サーブは含まないものとする。もちろんサーブにもリスクを取るか否かという判断はあるが、それを含むと話がややこしくなるため除外する。

 

まず先に相手が打ったボールが存在し、それを受けて、リスクを取って打ち返すのか、それともリスクを取らずに打ち返すのか、という話だ。

 

前提2:

自分の打点に入れている場面とする。

 

体勢を崩されたディフェンシブな場面も含めてしまうとそれぞれのケースで説明する必要があり話が長くなりすぎるので、今回は自分の打点に入れている場面で考えてもらいたい。

 

前提3:

自分と相手とのレベル差、技術差はないものとする。

 

例えば、人によってはスライスをほとんど使わないという人もいるだろう。しかし、ここでは相手が打ってきたボールをほぼ同じように打ち返せるものとする。

 

相手のスライスをスライスで打ち返せる。相手のスピンをスピンで、相手のドライブをドライブで打ち返せるものとする。

 

さて、ここからが本題だ。結論から書く。

 

リスクを取るとは、ポイントを取りに行くために、相手よりも先に仕掛け、変化をつけるということだ。

 

先に何かするということだ。

 

例えば、何度か同じペースでコート中央で打ち合った後に、コースを変えて角度をつける、ドロップショットを打つ、スピン量を増やすといった変化をつけるということだ(ちなみにこれは自分がよくやる順だ)。

 

「変化をつける」のは「変化をつけない」より難しい分ミスをする可能性が増える。それをリスクと呼んでいる。

 

そして、それらの難易度は異なる。より難しいことをすれば大きなリスクを取ったということになる。

 

これは言われてみれば当たり前と思うかもしれないが、この理解だけでは不十分だ。

 

この話は「リスクを取らないとは?」を理解できた時に本当の意味で理解できたといえる。

 

「リスクを取らない」とは。

 

リスクを取らないとは、難しいことをしないということだろうか?その時、もっとも簡単な返球をするということだろうか?

 

いや、それは適切ではない。

 

リスクを取らないとは、変化をつけようとしないということだ。

 

もう少し具体的にいうと、「相手のボールのスピードに自分の動作とタイミングを合わせて、飛んできたコースに飛んできたボールと同じようなボールを、自然体で打ち返そうとする」ということだ。

 

それがもっとも簡単で、リスクがすくない。

 

つまり、ただただ無理なく「合わせるだけ」だ。「何の味付けもしない」と言うとわかりやすいかもしれない。

 

これがノーリスクの返球だ。

 

また、こんな解釈をするとイメージしやすく、考えやすい。

 

その時の相手のボールを基準とし、それを0とする。

 

ノーリスクの、合わせるだけの、何の味付けもしない返球とは、0としたその相手のボールに何も足さずに0で返そうとするということだ。

 

この0はリスクの増減量であってショットの強さではない。

 

自分が0で打ち返したつもりでも、そのボールを相手が強いと感じるか、あるいは弱いと感じるかは、相手とのもともの能力の差で決まる。

 

自分の能力が相手のそれを大きく上回っている場合は、リスク0の何もしていないつもりの返球でも相手を圧倒できることもある。

 

これに対して、リスクを取るとは。

 

ポイントを取るために「味つけをして返す」ということだ。「+1して返す」あるいは「+2して返す」ということだ。

 

具体例でいうと、例えば、以下だ。ちなみにこれは私にとっての難易度が低い順だ。

 

  • 球種を変える
    • 相手のドライブをスライスで返す
    • 相手のドライブをスピンで返す
    • 相手のスピンをドライブで返す
    • 相手のスライスをドライブで返す
    • 相手のスピンをスライスで返す
    • 相手のスライスをスピンで返す
  • 球威を変える
    • 相手の緩いボールを強打する
    • 相手の強いボールをドロップショットで返す
  • コースを変える
    • ストレートに打たれたボールをクロスに打ち返す
    • クロスに打たれたボールをストレートに打ち返す
    • センターに打たれたボールをワイドに打ち返す
    • クロスに打たれたボールをアングルに打ち返す
    • センターに打たれたボールをアングルに打ち返す
  • これらを組み合わせる

 

そして今気づいた。

 

自分にとって難しい順に多様している。私のテニスは、リスク取りまくりテニスだ。

 

一度、リスクを0から+1の範囲に抑える、マレーやジョコビッチのようなテニスをたくさん体現する時期を作る。

 

するとおそらく、次のことに気づける。

 

リスクを取らずに打ち続けていると、自ずとリスクを取るべきベストなタイミングが見えて、考えなくても身体が勝手にそこを打ち抜くようになる。

 

実はこれは、ここ数回のテニスで既に数回だけだが実感できたことだ。だからおそらく間違いない。