死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

母への指南書

わかりやすい言葉を選んで書く。

 

私は子供の頃、母から散々嫌がらせをされて生きてきた。40代になった今もそれは変わらない。

 

こう言われれば、母は「そんなつもりはない」と言うだろう。それは知っている。母は今も昔も私に対する愛情を持っている。

 

しかし、私からすると嫌なことを押しつけられていることが日常的にたくさん起きていたのだ。

 

わかりやすい具体例を挙げる。

 

子供の頃、毎日起きていたとても嫌な時間。それは、朝だった。ほとんど毎朝だ。

 

疲れていてまだ寝ていたいのに、無理やり布団を剥がされ、カーテンを開けられ、冬だろうが窓まで開けられ、無理やり起こされていたのだ。

 

怒りながらそれをするのではない。「さぁ、起きなさい!とてもいい天気よー!」と、母は明るく元気にそれをする。しかし、私にとってそれは地獄だった。

 

私がイライラしながら抵抗してもそれは伝わらない。「それは嫌だからやめてくれ」と伝えても、「いや、その方がいいから」の一点張りだ。すべてを母の感情や感覚、母の価値観で決めつけられ、押しつけられてきた。

 

これはほんの一例にすぎない。こちらがどれだけ論理的な説明をしても、それを理解することはない。彼女にとっての正解がすべて正しいという考えなのだろう。とにかくそれを押しつけてくるのだ。

 

母が「◯◯した方がいい」と言い出したら、その先には地獄しかない。

 

そんなことが何年も続いた結果、私は次のように思うようになった。

 

・母にとっては、私の「やめてほしい」「こうしてほしい」に応えることより、自分の「◯◯した方がいい」を押しつけることの方が大切なのだ。

 

・母は私のことは何もわかっていないし、理解しようとも思っていない。

 

・そもそも、私の言うことはいっさい耳に入っていない。何を言っても無駄だ。

 

・一緒にいる時間を減らす以外、この地獄の時間を減らすことはできない。

 

幸い私には居場所があった。私のことを理解してくれる仲間やパートナーがいた。だから私の場合は、母から離れることで生きていけた。

 

しかし、もし居場所がなく、自分のことをまったく理解してくれない母とずっと一緒に生きていかなくてはいけない状況に置かれていたら、どうなっていただろう。

 

理解者がだれもいない状況だ。それはとても辛く、精神的に追い込まれていただろう。鬱になっていたかもしれない。

 

それを、数日前にも伝えたが、その時は怒鳴りながら伝えたからおそらく正確には伝わっていないだろう。その時は私も頭に血がのぼっていてどうすることもできなかった。

 

その翌日、母は私にこう伝えてきた。

 

「気持ちよくコミュニケーションできるよう努力する」

 

ならばとこれを書くことにした。母への指南書だ。以下は母に向けて書く。

 

母への指南書

 

忘れかけたら、何度も何度も、繰り返し読み返してほしい。俺と会う前は、必ず読んでおいてほしい。太字の部分だけでもいいから。

 

「結論」と「2つの理由」、「話す時のコツ」に分けて書くよ。とても簡単な話だから理解できると思う。理解できなければ関わりを限りなくゼロに近づける努力をお互いにしていこう。

 

結論

 

お母さんから俺に何かを働きかけようとするのはやめて、お母さんは「俺に何かを求められた時にだけそれに応えることにする」と割り切った方が簡単だし、その方がふたりの関係は改善する

 

2つの理由

 

理由1:俺はお母さんと話したいと思っていないから

 

それは、話せばいずれお母さんのベキ論にいたり、地獄を見るからだよ。つまり、お母さんが下手に話し出すより、何も話さないでいてくれた方がふたりの関係は改善するってことだよ。

 

理由2:俺は無言で何かを求めることはないから

 

俺から何かを伝えていない限り、俺はお母さんに何も求めていない。それは何もしないでほしいのと同じだよ。つまり、何も頼まれていない時は、何もしない方がふたりの関係は改善に向かうってこと。

 

例えば、俺が家に帰った時、「ご飯を作ってほしい」「お茶を入れてほしい」と言わなければ、それらは求めていない。何もしないでいてくれた方がありがたいと俺は思っている。

 

これが、44年の時を経てふたりが築き上げた、俺とお母さんの「今の関係」だ。

 

言い換えれば、お母さんから俺に話しかけるチャンスはないということでもあるよね。そう言われると、お母さんは残念に思うかもしれないけど、今はそういう関係なんだよ。

 

ただ、ここに書かれているすべてをお母さんが理解できて、実行することができれば、その関係は時間をかけながら徐々に改善されていくと俺は思ってる。

 

自分が家族と分かち合いたいと思っている話はお父さんに話してね。俺は聞きたいと思ってないし、聞かないけど、お父さんは聞いてくれるから。

 

話す時のコツ

 

最後に、俺がお母さんに話しかけた時に俺をイライラさせないコツを書く。これを実行してくれると俺はとても嬉しい。

 

俺の質問や要望に回答するだけでいい。

 

それ以外のことは話さなくていいんだ。これだけで、こっちはとても嬉しい。

 

今後、俺がお母さんに話しかける時は、要望を伝えるか質問するかのいずれかにする。だから、それにこたえるだけでいいよ。それで十分。

 

要望に応えられない時は、「今回はそれには応えられない」と言ってくれればいい。そうすれば、自分でなんとかするという判断ができるから、それだけで十分嬉しい。

 

もし俺の質問が「はい」か「いいえ」で答えられるものなら、「はい」または「いいえ」とシンプルに答えてくれるだけだけでいい。それだけで次の判断ができるようになるから、俺はとても嬉しい。

 

言われたことに答えるという実にシンプルなコミュニケーションをしてくれるだけで、確実にふたりの関係は改善する。だって俺にとってそれがとても嬉しいことだから。

 

これからは、「哲兵のためになるはずのこと」ではなく「哲兵が喜ぶこと」をやってください。お願いします。

 

今のお母さんにはそれを先回りすることはできない。だから、俺が話しかけた時にだけその内容に答えてほしいんだ。

 

念のため言っておくけど、いつまでたっても俺からお母さんへの連絡がない=要望が出てこない時は、何もしてくれない方が嬉しいということだからね。そんな時は、ただひたすら連絡を待ってね。

 

そういう時は俺のことを考えるのはやめて、自分が夢中になりたいことに夢中になっているくらいが丁度いいよ。俺のことを忘れるくらいが丁度いい。

 

俺もたまに、テニスに夢中になって息子のことを忘れるようにしてる。いい意味でね。

 

よろしくお願いします。