死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

うちの育児の大きな欠点

最近は家庭内でいろいろあり、こんなことばかり考えている。考えていることを吐き出しておかないと頭がパンクするから書く。

 

子供の可能性を最大化するために必要な環境はどんなものか。

 

それを考え、子供に提供するのが親の役目と考えてきたが、それを改める。

 

もちろんそれには正解などなく、なるようにしかならないのが人間という生き物だからだ。

 

親の価値観や日々の立ち振る舞い、財力、住んでいる町、子供が関わる親以外の大人たち、友達たち、さらには運まで、それらは家庭により千差万別で、それらすべてが子供の成長に影響する。

 

だから、「子供の可能性を最大化する環境」ではなく「子供に最低限の生きる力が備わる環境」を考えてみた。

 

ここで言っている、最低限の生きる力とは、自分ひとりで考え、自分ひとりで判断し、自分ひとりで行動する力だ。

 

自律し、自立することとも言えるだろう。

 

前の記事「子供は親元を離れてからの方が成長する」にも書いたように、子供は自立してからの方が圧倒的に飛躍するのだからこの方針転換は間違いないはずだ。

 

これさえ身につければ、後は子供自身でどんどん成長していける。

 

可能性を最大化するのは親ではなく本人だ。親の役目は、その基礎となる力を育てることだ。

 

自分ひとりで考え、自分しとりで判断し、自分ひとりで行動する力。

 

これは頭と体、両方を使う。想像力も必要だ。だから人間にしかできない。人間が生きる上でとても基本的なことだ。ポイントは、子供自身が自分でやるという点だろう。

 

だから、親のもっとも重要な役目のひとつは、我が子が自分ひとりで考え、自分ひとりで行動する機会を提供することと言える。

 

これには、事前教育は必要ない。子供は大人以上に考える力をもともと持って生まれてきている。想像力も持っている。だから、機会を与えるだけだ。機会を与えさえすれば、自分で考え、行動するようになる。

 

もちろん、小学生低学年までは「なんで?」と聞いてくるからそれにはひとつひとつ丁寧に答えたり、一緒に考えたりする必要はある。それも親の重要な役割だ。

 

その時期さえ終われば、何かを教えてからでなくても子供はその機会を与えられれば自分で考えて行動できる。だから、小学生高学年くらいから日常的にその機会を与えられている子の方が生きる力は強く育つ。

 

具体的には、例えば、友達と近所の公園まで遊びに行くなどの時間だ。

 

私が小学生の頃は大きなマンションや団地に住んでいる友達ばかりで、その敷地内の公園でみんなで遊んでいた。

 

そこは、小学校とは異なり縦割りの社会だ。その間、親たちは家で家事をやっているから誰も監視などしない。上級生が下級生の面倒を見ながらみんなで上手に遊んでいた。

 

高学年になればマンションの敷地の外まで行動範囲を広げていく。時には危ない場所に入って遊んだものだ。

 

中学生の頃には、電車で10分以上かかる駅から駅までを、友達5人で4台の自転車で移動したのを覚えている。その経験は、多くの能力を鍛えてくれたはずだ。

 

1人は2ケツをしたり、上り坂では走ったり、それをみんなで順番にやったりしていた。

 

こういった大人がまったく干渉しない子供社会でこそ子供は育つ。そういう研究結果もある。子供社会で子供たちは、自分で考え、自分で判断し、自分で行動する経験を無意識に重ねていくのだ。

 

では、息子はどうか。

 

こういった機会がほとんどないのだ。学校以外は、ほぼすべて親と一緒に習い事。常に、大人の支配下でしか活動させてもらえない状況にある。

 

唯一の子供社会は、学校の昼休みと登下校の時間くらいだ。しかも、それは毎回同じ場所だ。想像していなかったような新しい経験は生まれない。

 

今目の前で起きた問題を解決するために自分で考え、判断し、行動するといった機会が圧倒的に少ないのだ。

 

これが、うちの育児の大きな欠点だ。

 

さて、息子は私立の難関中学校のひとつに通うことになったが、私はその学校名なんかより、こういった機会をどれだけ与えてあげられるかが肝と考えている。

 

妻は毎朝息子と通勤通学を共にできることを喜んでいた。これまで同様、今もいつも週末は親子デートだ。私の考えとは真逆の行動をとっている。

 

子供が2人以上いればもう少しは違ったかもしれない。しかし、うちは一人っ子だ。まずは親がこの状態を自覚しないといけない。

 

このままでは息子は、学力はあっても実力のない本当にしょうもない人間になる。

 

中学に入学した息子に良い仲間がたくさんできて、母親といれる時間がなくなることを私は強く願っている。