死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

関西遠征

悔しいことに、昨日の今日でもう振り返らなくてはいけなくなった。今、帰りの新幹線の中でこれを書いている。

 

悔しい。やっぱり悔しい。悔しいが、収穫は大きかった。

 

今回はそれを書き留めておく。

 

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関西オープン1R。相手はシコラーだった。シコラーと言っても、ただ拾いまくるシコラーではない。リスクを取らずに相手が嫌と感じるボールを打ってくるタイプ。こちらのボールが短くなれば絶妙なコースとタイミングでアプローチを打ちネットも取ってくる。もちろんボレーも上手い。

 

ミスが少ない上、これがあるから相当に厄介だ。しかも、ベテランJOPをしっかり渡り歩いてきている勝負強さもあわせ持っているときた。

 

1stセットから多くのプレッシャーを感じることとなる。

 

一方こっちは、ここ最近テニスを見失っていたのがそのまま出る。立ち上がりはつまらないミスが目立つ。自分と向き合わざるを得なかった。

 

これは想定内だったが、相手のプレッシャーを感じながら自分のテニスのどこに問題があるのかを分析し、修正していくのは辛い。このままではもちろん勝てない。

 

案の定、1stセットは楽に取らせてしまう。26

 

しかし、1stの終盤、うまくいかない原因を突き止める。打つ前の準備が遅く、準備してから打つまでの時間が短すぎたのだ。

 

準備を早くし、その分長くしっかりとボールを見て打つことで、自分のテニスを取り戻した。

 

これが、1つ目の収穫だ。

 

もちろん、こんな基本的なことは以前からわかっていたことではある。しかし、「それができていないのとできているのとではこんなにパフォーマンスが変わるのか!」という実感をともなうリアルな経験こそが大きな収穫なのだ。

 

これを機にポジションも上げられるようになり、ボレーやドライブボレー、スマッシュでのポイントも増える。

 

そして、2ndセットは先にブレイクに成功。31

 

しかし、相手も良いプレーですぐさまブレイクバックされ追いつかれる。33

 

それでも流れはこっちにあった。引き続き自分の良いプレーを維持でき再度ブレイクに成功。相手にプレッシャーを与えられている手応えもあった。53

 

自分のサービング・フォー・ザ・セット。

 

40-30のセットポイントを迎えた。しかし、強気の2ndサーブが痛恨のフォルト。そのままブレイクされる。54

 

その後ひっくり返され、26 57 敗退。(公式は36 57となっているが、それは間違いだ)

 

試合の後、相手の方と話すことができた。

 

彼は盛んに「サーブがいい」と言ってくれた。それに対して「ありがとうございます。だけど、さっきのようにあと一本というところでダブルフォルトとかしてしまうんです」と伝えた。

 

すると彼はこう言った。

 

「それはいいんちゃう?宮田さんの場合はあそこで入れに行ったら何も残らんでしょ。入れに行って入っても相手に攻められてやられる(=その後の流れも悪くなる)。それよりも、自分を貫いた方がええし、入ればフリーポイントになる」

 

これが、2つ目の収穫だ。

 

いや、これも以前、別の方に言われたことだ。その時も書いた。それでもだ、「百戦錬磨の、試合がどんなものか良くわかっている選手たちは皆こう考えるのだな」とわかったことが大収穫だ。

 

しかも、言うか言わまいか迷うようにしながら、彼はこう続けてくれた。

 

「問題は、そのあとやったと思う。宮田さんから54になったわしのサービスゲーム。それまでしっかり打ち込んでいた甘いボールに対するフォアを2本くらい立て続けにミスしてくれたやろ。このゲームを楽に取らせてくれた。

 

もしあそこで、2ndに入ってから良くなってたあのフォアを引き続き打たれてたらこうはならんかったとちゃうかな。

 

2ndは捨ててたのにあれで、『お、これ取れるんちゃうか?』ってなったもんな」

 

これは、言ってもらえないと気づけなかったと思う。こう言ってもらえていなかったら、またあのセットポイントのダブルフォルトを反省していただろう。問題はそこではないのに。

 

こう言われて、「確かにそうだ。間違いない」と思った。この試合の敗因はあのリターンゲームのプレーの質だ。

 

では、なぜ質が落ちたのか。

 

それは正直なところ、1日たった今でもわかっていない。が、これを書きながら改めて考え、答えを導き出そうと思う。

 

あのダブルフォルトの後、私は即その結果を受け入れることができていた。前を向いていた。落ち込んではいなかった。

 

チェンジコートでベンチに座っている時も、前を見ていた。まだ勝つチャンスはあると思えていたし、それは最後まで同じだった。

 

つまり、メンタルに問題はなかった。

 

それでも、あのリターンゲームでつまらないミス、もったいないミスを2本立て続けにした事実がある。なぜだ?

 

よく思い出せ。

 

あの2本は、身体が流れていた。つまり、踏ん張りを効かせられていなかった。それまで高められていた腹圧が落ちたとも言える。

 

そうだった。そのため、素早い準備からしっかりボールを見て打つということができていなかった。

 

いや、けどわからない。なぜそうなった?

 

あ…ッ!

 

もしかして、黙っていたからか?!!

 

前を向いていた、落ち込んではいなかった、けど、黙っていた。あの場面では、もっと前向きなセルフトークを意図的に自分に向かってするべきだったんではないか?

 

「まだある」と一度だけぼやいた記憶はある。けど、それだけでは足りなかったんだ。そうだ。

 

「まだある。できる。俺ならできる」
「レッツゴ!レッツゴ!」
「よし」

 

次はそうやって自分の行動を変えて結果も変える。

 

今後の試合で、強気に行くもセットポイントを逃すようなことがあった時は、いつも以上に積極的に、前向きな言葉を自分にかけていく。

 

うん、間違いない。それをすることで、踏ん張るための、腹圧を高めるためのエネルギーは呼び起こされる。

 

これに気づくきっかけを話してくれた彼には、感謝しかない。

 

最後に、実はもうひとつ、プレーとは関係ないのだが、とても嬉しいことがあったからそれについても書く。

 

試合後、「宮田さん!」と素敵な笑顔で声をかけてくれた女性がいた。

 

「はじめまして。私、宮田さんのブログ読んでます!」

 

ええッ?!

 

遠征はいつも1人だ。たまにしか参戦しないからどこも初めて行く地ばかり。そんな関西の地で、関西の方が、私のブログを読んでくれていて、しかも、声をかけてくれたのだ。

 

とても嬉しかった。

 

しかも、ある時このブログに出会い、一気にすべての記事を読だというではないか!涙

 

300記事近くあるのに?

 

帰りのバスもたまたま一緒になり、いろいろ話した。ぜんぶ読んでくれているから、テニスだけではなく、息子のことまで話題にしてくれた。

 

控えめにいって、最高の時間だった。彼女にも感謝しかない。

 

もちろん彼女は、私のために来たわけではない。自分のコーチを応援しに来ていたのだ。お子さんも手が離れているのだろう。ベテランJOPや市民大会など、年に5大会ほど挑戦していると言っていた。

 

そして、そのコーチにも私のブログを紹介していて、話題にしてくれていたというではないか。

 

彼女はその場でコーチと私を引き合わせてくれた。これがまたとても素敵な方ではないか!顔からいい人が滲み出ている人とはこういう人のことだ。関西で嬉しい顔見知りができた。

 

彼女と話していてわかった。彼女も、このコーチも、私も、タイプが似ている。類は友を呼ぶのだ。

 

彼女とはLINEを交換し、「関東に行くことがあったらテニスお相手してくれますか?」と聞かれたので「もちろんです!連絡してくれれば飛んで行きます」と答えて別れた。

 

そして、また来年も関西オープンは挑戦することに決めた。

 

それから、禁酒も笑