大学体育会庭球部でコーチをしています。もうかれこれ5年くらい経ちますかね。
初めて関わった年の部員は1年生も含め全員が社会人になっているので、今はOBということになります。
コーチを任されたのが2017年。その年の幹部の3年生とはたくさんの関わりを持ち信頼関係を築くことができました。
その翌年以降の3年生とも、彼らは必ず幹部になるので同じく深い関わりがあります。
一方、初めて関わった年の4年生はちょっと違います。当然ですが間もなく卒業するので長くても1年しか関われません。
また、オンコートの指導は月に1日だけの上、就活で出てこないこともあったのであまり会わない。
特に、全中準優勝という実績を持つ圧倒的エースはあまり会うことがありませんでした。
彼のテニスを見たのは数回。内1回はリーグ本番の入れ替え戦、シングルスの試合。ベンチコーチに入りました。
彼は自分のテニス論を持っている我の強い人間でした。その上、私より実績があるのでアドバイスできることはほとんどありませんでした。
そして、自分にも他人にも厳しいタイプ。思ったことはなんでもストレートに言う。行動も周りに合わせることはなく、我が道を行く。
この大学ではとても珍しい、しかし同時にとても貴重な存在でした。
その彼が夢に出てきました。
OBとして現役に指導しにきてくれたんです。彼の厳しさは知っていたので、今の現役には刺激が強くなりすぎる可能性を感じたのか、私は彼にこう言っていました。
「優しく教えてあげてね」
すると彼は私に言いました。
「コーチがそんなこと言ってるから今の部は弱いんだよ」
そこで目が覚めました。
これは見事に私の心理状況を表しています。
自分の今の指導方針が間違っているとは思っていませんが、たまに葛藤はあります。また、方針は間違っていなくても、やり方や伝え方が最適とは言い切れません。
いずれにしても、より良い指導を学生たちに提供しようという心の表れだと思います。
特に今年の学生たちはとても熱い気持ちでテニスと向き合っています。私も今一度気持ちを引き締めて彼らと向き合います。
それではまた!