死ぬとき笑う

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ナダルがよくやるダブルニージャンプの話

週に3回取り組んでいる走り込みメニューの中にナダル選手が試合前によくやっている「ダブルニージャンプ」があります。

 

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@Getty Images

 

連続10回を2セットやっています。

 

これを採用するきっかけとなったのは、ベテランJOP50才以上のトップ選手で師匠の佐藤史高さんが瞬発系で効果的なメニューのひとつとして教えてくれたことです。

 

私はもともと腰痛持ちなので、以前は「こんな動作はとてもじゃないけど怖くてできない」と思っていたのですが、腰痛を克服し、走り込みをするようになってからできるようになりました。

 

若い頃は何も考えずに当たり前にやれていた動作ですが、ダブルニージャンプはかなりの運動強度を求められる激しい動作です。

 

これをやれている間はまだまだ若いと考えていいと思います。だからその間は、しっかり走ってボールを打ちたいと思っています。

 

さて、ここからはダブルニージャンプがなぜテニスに有効なのか、私の経験に基づいた説明をします。

 

まず、そもそもですが、ダブルニージャンプは筋力アップを目的にやるメニューとしては不適切と私は考えています。

 

ダブルニージャンプの目的は「強度の高い運動における腹圧効果の確認」です。

 

腹圧の効果を最大化できたその結果、瞬発力が最大化されます。

 

具体的に説明します。

 

ダブルニージャンプは、足を肩幅くらいに広げてジャンプを連続で行います。目指したいのは、スーパーボールのように、着地と同時に高く跳ね上がれている状態です。

 

それが瞬発力の高さに比例します。

 

踵をつけずに繰り返しジャンプし、地面に足が接地している時間を可能な限りゼロに近づけて60〜80kgの身体を10回連続で高く跳ね上がらせるわけです。

 

この結果を最大化するために必要なのが、着地の瞬間に腹圧を高める技術です。

 

腹圧って何?と言う方は次の記事を読んでください。腹圧の理解と実践はテニスを劇的に変えます。

 

腹圧とは?腹圧が運動効率を高める - 死ぬとき笑う

 

この「着地の瞬間に腹圧を高められているか」を確認するためにダブルニージャンプをします。

 

テニスでは踵を地面につけていることが多いですが、例えば、スプリットステップでこれを応用できれば一歩目が早く強くなります。

 

これは正にテニスにおける瞬発力に直結する話と理解できると思います。

 

さて、それだけなら垂直跳びでもよさそうです。ここからは、膝を上げる意味についてです。

 

膝を上げる目的は、より難しい動作にすることで空中でも腹圧が維持されているかを確認することです。

 

具体的に説明します。

 

一般的に空中で膝を上げると骨盤が後傾しやすく、背中が丸まりやすくなります。しかし、それは誤った姿勢です。

 

冒頭のナダル選手の写真を見ても背中は丸まっておらず、空中で骨盤が前傾に保たれていることがわかります。

 

これも腹圧が高められていないとできません。つまり、着地と同時に跳ね上がる時も、空中で膝を上げる時も、動作中は常に腹圧を高く維持するということです。

 

その結果、瞬発力が最大化できていることを確認する。

 

それがダブルニージャンプをする目的と私は考えています。

 

それではまた!