死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

準備不足は論外!が言い訳の元になってた

「選手として準備不足はあってはならない」それは大前提だが、「たとえ準備不足でもベストなプレーを発揮する能力というものもが存在する」と考えておいた方がいい。

 

なぜなら、そう考えないと、準備不足を感じている試合でそれを言い訳にしてしまうから。

 

そんなことを学ぶ体験をしたので今回はそれを書き留めておきます。

 

これはまさに、パラダイムが変わる瞬間で、個人的にはとても衝撃的でした。

 

そうです、今日の朝練は完全に準備不足だったんです。

 

実は昨日の夜に「朝は雨」という予報を見て、その時点でやる気を失い、できない可能性が高いから寝るのも起きるのもいつもより遅くするという、選手として失格と言われてもおかしくない愚行に走りました。

 

そして朝。雨は止んでいました。

 

いつもの朝の怪我防止ルーティンをまともにこなすことができないまま急いでコートに向かいます。

 

今日は横浜市民大会に備え、10分程度のアップからノーアド8ゲームマッチの実践練習です。

 

相手は練習パートナーで何度も対戦しているTさん。

 

アップからピントがズレまくっているのは明らかでした。それでも試合を進める中で少しずつ合わせていけばいいと考えていました。

 

が、前日の夜に一度やる気を失っているので気持ちも乗っていないところからのスタート。簡単でないことはわかっていました。

 

それでも負けたくありません。そこから本当に、ベストを目指します。

 

トスに勝ってリターンを選択した1stゲームの1stポイント、お互い様子を見ていたためペースは遅めですがいきなり長い打ち合いになり、それを制します。

 

それで心理的に優位になったこともあり3ポイント連取して0-40。

 

しかし、ここから相手が少しペースを上げてきます。それにピントを合わせることができず逆に4ポイント連取されこのゲームを取りこぼします。

 

これに対して早くも苛立つ自分がいました。

 

次のサービスゲームもピントのズレを感じたまま、かつTさんのミスの少ないプレーであっさりブレイクされます。0-2。

 

この後もベストを目指して挑み続けます。しかしなかなかゲームを取れない展開が続きゲームカウント1-5。

 

2ブレイクダウンとなったこの頃に葛藤が始まっていたことを覚えています。

 

「準備不足だったから仕方ないよ」

「いや諦めない!改善していける!」

 

そして、この時にはもうかなり視野が狭くなっていました。自分のプレーに意識が集まりすぎている状態です。相手が見えていません。

 

しかし、焦りもありこの時はそのことには気づけませんでした。

 

結果は1-8。完敗します。

 

まだ時間が残っていたので、6ゲームでもう1試合やってもらいました。

 

気持ちも新たに「今度こそ!」という思いで臨みます。

 

しかし、画期的には変わりません。Tさんが少し油断する分、ゲームは取れましたが、余裕も流れもまだTさんにあるのは明らかでした。

 

ところがです。

 

このマッチは第5, 6ゲームあたりで時間切れとなり途中で終わるのですが、最後の2ゲームで突然覚醒したんです。

 

その瞬間のことは今でもよく覚えています。

 

「視野が狭くなりすぎてるよ。自分のことしか見えてないし考えてないじゃん。準備不足だったからって一生懸命になるのはわかるけどそれじゃダメだろ。相手だけを見ろ」

 

心の中ではっきりと、そう自分に言っていました。

 

その直後のポイント。

 

ベストパフォーマンスの時と同じ感覚に一気に上がっている自分がいました。

 

それは、サイヤ人がスーパーサイヤ人になったくらいの急変です。

 

深い球からチャンスボールを作って寸分の狂いもなく流れるように打点に入ってウィナー 。

 

そこから、相手が急に力みだすのを感じます。少し焦っているようにも見えました。

 

練習終了後、Tさんに聞きました。

 

私「最後の2ゲームから急に覚醒する不思議な体験をしたんだけど、それを相手としては感じ取ったりしてた?」

 

Tさん「しましたよ。あ、急にいつもの宮田さんに戻ったと思いました。あのウィナーを打たれたときに。しっかり打点に入って打ててましたから。それまではずっと打点に入れず苦労してましたよね」

 

準備不足をしているようでは選手失格です。しかし、準備不足でもベストパフォーマンスに自分を引き上げる能力は存在します。

 

もちろん、準備が完璧の方がベストパフォーマンスに引き上げるまでの時間を短縮できるのは間違いありませんが。

 

それではまた!