前の2つの記事で、川崎市民大会40才シングルスの準決勝を勝ち切ったものの、同日の決勝でやらかしたという話をしました。
そのやらかしを一言でいうと「準決勝に勝った時点で天狗になった」です。油断したとも言えます。詳細は2つ前の記事「川崎市民で大馬鹿者になった話」に書いた通りです。
なぜ天狗になってしまったんだろう…?
今回はそれについて、元リクルートエージェントの営業、今は現役の某メーカー人事部マネージャーで15年以上もの間多くの人材を見てきて、人にはさまざまなタイプがいて向き不向きがあることを熟知している妻からのアドバイスを書き留めておきます。
ちなみに妻は、学生時代にJOPの大会でダブルスのタイトルも獲るほどガチの世界も知っている人間です。
そんな妻に川崎市民の失敗の話をしたところ彼女は言いました。
「私は天狗になったことがない」
それはなんでだろう?と聞くとこう話してくれました。
「私は最上志向の強い人間だから何を取り組む時も理想を目標に設定してそれを本気で目指しにいく。だから、得た結果にその場で満足することがないからだと思う」
なるほどぉ!とそこで気づかされました。
それまで私は、その時油断した原因を「真剣勝負に対する理解の甘さ」と考えていました。
これは試合経験を積み重ね、今回のような苦い経験(=失敗)を繰り返しながら正していければ良いのだろうと考えていました。
しかし、それは違いました。
目標設定に問題があったんです。
私の川崎市民の目標は以下でした。
必達目標:準決勝に必ず上がってくる相手にリベンジ
目標:優勝
これがダメだったんです。口ではこう言っていますが、真の目標は準決勝のリベンジだったんです。
つまり、準決勝に勝利し満足していたんです。だから油断したんです。
逆にいえば、今回は目標達成できたということでもあります。
今も真の目標は間違いなく準決勝のリベンジだったと言い切れます。
というのも、試合前日にも「後のことは考えない、準決勝に全てをぶつける」と自分に言い聞かせ、仲間にもそう話していたからです。
思い返すと、準決勝と決勝で気合の入り方は雲泥の差でした。
準決勝では何回「カモンッ!!」と叫んだことか。最後は両手を上げて喜び、「よしよしよしッ!やったぁーー」と言いながら満面の笑みを浮かべていた自分を今でも思い出せます。
応援してくれていた友人がそれを見て「優勝おめでとうございます」と勘違いして声をかけてくれたくらいです。
だから決勝前はもう、自分でも気づかないくらい心の奥底で満足してしまっていたんだと思います。
その満足感を無意識に押し殺し「優勝するぞ!」と自分を洗脳していたのだと思います。
実はこれに近いことを去年の横浜市民と今年の神奈川県選手権でもやっていました。
この2大会の目標は以下でした。
必達目標:決勝進出
目標:優勝
結局この時も真の目標は決勝進出であり、結果はそれに一歩届かない準決勝敗退に終わりました。
この経験からも言えることは以下です。
まず目標はひとつにすべきで、かつもっと高めに設定し、本気でそのひとつの目標を目指すべきということです。
次回からはそうしていきます。
ただし、ここでひとつ注意しなくてはいけないことがあります。それが「どれくらい高い目標にするか」です。
これについて、妻はこう話してくれました。
「私は最上志向の持ち主だから目標を高く設定するけど、哲兵はたぶん違うんだと思う。もっと現実的な目標を立てた方が上手くいくタイプ。だから、今言っている必達目標よりも少し高い目標をひとつ設定すればいいんだと思う」
うん。間違いありません。
私はこれまでも目標は現実的なものにすべきと考えてきました。それをクリアできた時にそれは成功体験となり、ポジティブなマインドで次のステップに進んでいけるからです。
現に大学体育会でコーチをする時も学生たちにそう伝えてきました。
しかし、それが適しているかは人のタイプによるということです。これも今回の話で学びました。
最後に、気になっていた次の質問を妻にぶつけてみました。
最上志向だと多くの場合、目標を達成できないわけだけど、それをどう受け止めてきたの?
彼女は言いました。
「確かにそれはある。けど、目標の通過点だったとしても、実績として誇れる結果を出している自分はそこにいるから、それが自信になる。例え目標を達成できてなくてもね」
確かに納得です。妻は今も自信満々に生きています。そして、常に限界に挑戦しています。私からするとそれは寿命を削っているようにも見えるのでそこは心配なのですが。
今回は妻から学んだ深イイ話でした。
というわけで、小田原市選手権一般シングルスの目標をひとつ上方修正します。
目標:本戦2回戦勝利(=ベスト8)
それではまた!