死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

子ども社会は面白い

私は副業で週1回、アルバイトのテニスコーチをしています。

 

先日スクールに行き、コートサイドでレッスンのために控えているとパラパラと雨が降り出し、担当するジュニアのレッスンが急遽中止になりました。

 

いつもその時間には子どもたちもコートサイドに集まっており、子どもたちと話をするのが日課になっています。

 

その日は男子5人がテニスをやるつもりで来ていました。

 

今回は、この時の5人の行動がそれぞれ違って面白かったので書き留めておきます。

 

行動が違うというより、タイプが違う。さらにその異なるタイプの集まり方によってみんなが取る行動は変わってくるよなと。

 

この日の5人はこんな感じでした。

 

  1. Aくん:意志が強く主張もする中1
  2. Bくん:意志のある中1
  3. Cくん:意志弱めで大人しい中1
  4. Dくん:意志のある控えめな中2
  5. Eくん:意志のある控えめな中3

 

まずAくんが騒ぎ出します。

 

A「えー!いやこれできるでしょ。雨たいして降ってないよー。あ、ほら、止んできた。止んできてない?」

 

B「止んできてはいない笑」

 

私「うん、まったく止んできてはいない。けど、やりたいのはわかった。じゃあ風邪引いても困るから10分だけね。皆んなでボール打っていいよー」

 

A「くそ〜中止かぁ…。仕方ない、よし、やろう。ラリーしようぜ」

 

そうやって、なりゆきでA対D、B対Cのストレートラリーが始まりました。

 

もしAくんがいなければこうはならなかったと思います。まずそれが面白いなと。

 

その頃、少し遅れてEくんがやってきます。遠目を歩くEくんに大きな声で「今日はレッスン中止!打ちたかったら10分くらいなら打っていいよー」と伝えたところ、少しコートに目をやった後、Eくんはすぐに黙って帰りました。

 

私「E!また来週ね!」

 

私の声が届いたかはわかりません。けどこれも含めてEらしいなと。

 

それから5分ほど経った頃、今度はAくんが皆んなに提案しました。

 

A「よし、ダブルスしようぜ。ペアこのままでいいよ。はい、サーブ打って(と言いながらDくんにボールを送ります)」

 

半ば強制的にダブルスをやらされるBくん、Cくん、Dくん。黙って動いているけどやる気マンマン笑

 

C父「ダブルス始まったし笑」

 

私の側に歩み寄りながらこの中で一番意志の弱いCくんのお父さんが言いました。Cくんの父さんは毎回車で送り迎えしてレッスンを見ています。

 

私は答えました。

 

私「こういう子どもだけの時間って貴重ですよね。大人に何も言われず、自由にテニスコートを使える時間なんてなかなかないですから」

 

C父「たしかにそうですね」

 

私「私はこういう時、あえて何も言わないようにしています。こういった時にこそ、子どもの自主性が育つと考えているので。それと同じ理由で、私は教えないコーチなんです笑」

 

C父「はい(それはいつも見ていて知っています)」

 

そう言葉を交わして、ふたりで子どもたちを見守りました。

 

Dくん、Aくんのサービスゲームが終わり、Cくんのサービスゲームが始まった頃、時間がきました。

 

Tコーチ「時間です。これをラストゲームにしましょう」

 

この時、私は「あ、Bくんだけサービスゲームできてない。やらせてあげたい」そう思いました。

 

そして、それをTコーチに伝えてもう1ゲームやらしてあげるよう主張しようと思ったと同時に「Bくんはこれをどう受け止めるだろう?」と気になりました。

 

そして、主張したい気持ちを飲み込みました。そもそもこれは私の時間ではありません。子どもたちの時間です。

 

私「よーし、これラストゲームね!」

 

ラストと伝える大人たちの声に子どもたちの反応はありません。その言葉を受け止めつつ、テニスに、ボールに集中しています。

 

そして、最後のポイントが終わりました。

 

3人は大満足ではないものの、テニスができた充実感を表情に浮かべていました。

 

Bくんは自分だけサービスゲームをやれていないことなどまったく気にしていない様子。

 

Bくんは、私より大人だったと言えます。そういえば確かに、これが私の知っているBくんでした。

 

ちなみに、これがAくんだったら「なんだよー!俺だけサーブ打てなかったじゃん!」と言います笑

 

これが私の知っているAくんです。

 

Cくん、Dくんはもちろん、自分だけ打てなかったことを黙って受け入れるでしょう。

 

ちなみに、Aくんは慶應湘南藤沢、他の3人は公立の中学生です。

 

いや、どっちが良いという話ではありません。こういうタイプの違いがあって、こういう組み合わせだとこうなるという話です。

 

そして、異なる子どもたち同士、良い影響を与え合っているのだと思います。

 

人間って、子どもって、とても面白い。2人以上集まれば、そこには自ずと社会が生まれます。

 

子どもたちだけの社会を、もっともっと増やしてあげたい。私はそんなことをいつも考えています。

 

それではまた!