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昨日、積ん読となっていたテニス漫画「BREAK BACK(ブレイクバック)」最新13巻を読むために、11巻から読み直していました。
そして改めて「勉強になる!」と思ったので今日はこれについて書きたいと思います。
この漫画の最大の特長は、作者のKASAさんが海外でも活動していた元プロテニス選手という点です。
KASAさんのリアルな経験がベースとなったテニス論がこれでもかというほど詰め込まれています。
しかも、日本のトッププロたちを取材し、自分のテニス論を話し、それが彼らのテニス論とも重なっていることを確認した上で漫画に落とし込んでいるので、テレビでは伝わってこない、本当のプロの世界を描いています。
そのため、私のようにガチでテニスをしている人は、そこに描かれている考え方が実際の試合でそのまま使えます。
漫画の中で描かれていることはもちろん勉強になりますが、特におすすめなのが漫画の途中に挟み込まれている「テニスコラム」と毎巻末に挿入されている「おまけマンガ」です。
プロの世界なので、かなりマニアックな話も出てきて、それはたまに一回では理解できず何度も読むことがあるほどです。
詳細は購入してご確認いただきたいのですが、13巻に出てくる「切り返し」と2つの「カウンターショット」の話は3回読んでようやく理解しました笑
この3つの違いを理解するのはマニアックな世界に踏み込む必要がありますが、おまけマンガにはカウンターショットの練習方法まで書かれていて超実用的です。
さて、ここからは、私が「あぁ!やっぱそーなんだ!」と自分が最近になって悟ったことが間違いではないことがわかって嬉しくなった11巻のテニスコラムを紹介します。
それがこちらです。
ここに書かれていることを要約すると以下です。
「言語化、理論化することも大事だけど、それをしてしまったがために辿り着けない境地があることが証明された。その境地は、自分の『感覚』を磨くことでしか辿り着けない」
これは、私が目標を掲げて本気のアマチュア選手活動を始めてから1年半ほどかけてようやくたどり着いた超重要な結論のひとつでした。
私は今、試合の時はもちろん、練習の時さえも、フォームを意図的に気にしないようにしています。
フォームを気にすると自ずと言語化、理論化したことを考えることになるからです。
フォームを考えるのではなく、何をしているかというと、次の2つを観て感じてイメージしています。
- 相手が打ってくるボールとその意図
- それに対して自分の打つボール
「意識する=考える」ではなく「意識する=観て感じてイメージする」という点もポイントです。
プレー中、私はこの2つを「そうくる、ならこうする」という言葉に置き換え、あとのことは言語化せずに感覚でプレーしています。
唯一、サーブは、打つまでの時間が十分あるのと、課題が多いと感じているので、技術的なポイントを言語化して整理することがあります。
それでも、それはその日の初めだけで、すぐに感覚で取り組もうとします。
そしてもうひとつ、スクールでジュニアに指導する時も、私はフォームのことを言わないことにしています。
手本を見せてイメージを持ってもらうことはしますが、「打点は前」や「スイングは下から上」といった言葉では説明しません。
そして何より、子ども同士で少しラリーができるレベルであれば、ゲームを勝ち取るための戦術の話ばかりします。
「相手を左右に大きく動かしてミスを誘おう」
「相手のラケットがテイクバックした時に後ろのフェンスにぶつかるようなボールを打ってみよう」
「相手を前に走らせるには?」
「相手をサイドラインよりも大きく外に動かすためにはどんなボールを打つといいだろう?さあ、やってみよう」
こんな感じで、自分で試行錯誤する余地もたくさん与えます。これをすると子どもたちは喜んで挑戦し、夢中になります。
これ、信じられないかもしれませんが、打ち方を教えなくても子どもはどんどんできるようになります。
ちなみに、ボールがスライス回転ばかりになってしまう子にも、私は何も言いません。それでコートに収められていればいい。ポイントを取れていればいい。それは個性と考えます。
そしてそんな子も、相手をサイドラインよりも大きく外に動かしてみようというテーマになると、できている子どもたちを観てスピンの必要性に気づき、「スピンを打とう」と言われなくても、スピンで打つことに取り組むようになります。
子どもは、言語化、理論化されたことから学ぶより、感覚で、観たり、繰り返し打つ中で学んだ方が、圧倒的に早く成長します。
それは、子ども同士でラリーができる前段階にある子どもたちも同じです。
今回は、漫画「BREAK BACK」がめちゃくちゃ勉強になるのでおすすめ!という話からの、テニスは理論より感覚が大事!という話でした。
それではまた!