「勉強は普通イヤイヤやるものだよね」
先日、高校受験に備えて勉強をする中学生と40代の女性に「うちの子は勉強好きなんですよ」と話したらふたりが口を揃えてこう言いました。
もちろん私の息子を引き立てるために言ってくれたセリフでもあることは理解しています。
そして、こう言いたくなる気持ちは私にもわかります。私も勉強が嫌いでした。
ただ、それを言われた瞬間、「それを口にしちゃうのかぁ…」と残念な気持ちにもなりました。
なぜなら、それを聞いてしまった子供の多くは勉強好きにならないからです。
少なくてもそう思っている親のもとに生まれた子供が勉強好きに育つ可能性は限りなくゼロに近い。
そして、ほとんどの日本人は本当にそう思っているのかもしれないと思いゾッとしました。
ここでいう勉強は、学問や技芸を学ぶことです。もっとわかりやすくいうと、自分の知っている世界を広げることです。
知っている世界を広げるということは、「こういう人もいるけど、それとは正反対のああいう人もいる」ことを知っていることでもあります。
人にはさまざまな価値観があることを知っている人が社会をより良い方向に変え、それを知らない人が争いを始めます。
だから私は、勉強嫌いでしたが、社会人になるまでに世の中を観ながらこう感じてきました。
「どうやら、勉強ができた方が、知っていることが多い方が、社会にとっての価値を生み出せる人間になれるらしい」
知っている世界が広ければ広いほど正しい判断ができ、新しい価値を生み出せるというわけです。
だから、我が子には勉強好きになってもらいたいと考えるようになりました。
もちろん、それがすべてとは思っていません。
勉強が嫌いでも、例えば、音楽や芸術など、クリエイティブな世界で能力を発揮するのも素晴らしいことです。
勉強好きになれるならそれは素晴らしいことだから、全力で応援したいし、わざわざ勉強が嫌いになるような働きかけは絶対にしない。そう考えたということです。
さて、少し過激ですがタイトルにはバカという言葉を使いました。
バカとは、知識が劣り愚かな人です。知っている世界が狭いために、他の人が見たら愚かと思うことをしてしまう人です。
「勉強は普通イヤイヤやるものだよね」
こう言ってしまう人は、それを聞いた子供を勉強嫌いにするということを知らない愚かな人。
私はそう思います。
冒頭のふたりには子供がいないのでバカ親ではありませんが、バカ親になってしまう可能性があると思っています。
過激な表現なので、カチンと来てしまった人には理解してもらえないかもしれませんが、「愚かな側面がある」というだけです。
私はこのふたりのことを全否定しているわけではありません。ましてや嫌いなわけでもありません。むしろ好きです。
また、私にも愚かな側面はたくさんあるので、減らしていけるよう努めます。
それではまた!