死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

子どもの目がキラキラした話

実は私はIT企業でサラリーマンをしながら週に1回近所のテニススクールでアルバイトコーチをしています。

 

2レッスン担当していて、ひとつは「ジュニア中級クラス」、もうひとつは「真剣勝負クラス」という少し変わったクラスです。

 

どちらもやっててめちゃくちゃ楽しいのですが、昨日のジュニア中級クラスの子どもたちがまた目を輝かせてくれて、こちらもとても幸せな気持ちになれたので、今回はそこでやったことを紹介したいと思います。

 

昨日のジュニア中級クラスのテーマは、以前からやりたいと考えていたこちらです。

 

「シングルスにおける意識付け」

 

ここでいう意識付けとは、例えば相手に「ここはまたクロスに打ってくよな」と思わせることです。その心理を利用して逆に打つ。それがテーマです。

 

これは、コート一面を使って1対1でたくさん打ち合わないと体現できないため、やるなら人数が少ない時にしようと考えていました。

 

そして、昨日がその日でした。

 

中学1年生が2人、小学5年生が1人の3人。コート1面でこのテーマをやるにはちょうどいい人数です。

 

「例えば、クロスにたくさん打つことで相手にクロスを意識させて、ストレートに打とう!つまり、相手の逆を突くということだ。これが決まると気持ちいいんだぜ〜。というわけで、やってみよう!」

 

と伝えて3人が頭で理解したことを確認した上で、次のルールの勝負を何度もしました。

 

  • シングルスコートでコーチの球出しから1対1の勝負
  • ただし、ひとりはクロスにひたすら打ち返して相手のミスを待つ戦術を徹底する(クロスを狙うけどストレートに行ってしまったのはあり)
  • コーチの球出しを受ける側のもうひとりはクロスにもストレートにも打てる、つまりテーマを実践してポイントを取ることを目指す

 

ちなみに、ジュニア中級クラスは、選手を目指すクラスではありません。放課後のノリでテニスを楽しむクラスです。

 

子どもたち同士のラリーがまあまあできるというレベルです。

 

そんなクラスの子どもたちがこんな難しそうなテーマをそんな乱暴な教え方でいきなり実践できるのか?

 

もっと球出し練習でクロスとストレートの打ち分けとかを丁寧に教えてからの方がいいのではないか?

 

と思う大人は多いと思いますが、これでできちゃうのが人間という生き物なんです。

 

もちろん、ミスもたくさんします。それでもいつも、ミスの数より「おお!すげぇ!」と驚かされる数の方が多くなるんです。

 

私がやると、どんな子どもたちもそうなります。

 

私の経験から言うと、クロスとストレートの打ち分け方なんか教える必要はありません。

 

勝ちたい!となっている少しラリーができる人間は、あっちに打ちたいと思うだけで打てるんです。

 

そして、この勝ちたい気持ちを伴うプレーがテニスというスポーツの本来の姿です。

 

この日はこの「勝ちたい」と「逆を突きたい」が子どもたちを夢中にしました。梅雨時のナイタークラスなのにたくさん汗をかきながら90分間3人ともぶっ通しで打ち合っていました。

 

もちろん、このメニューだけではありません。この日は以下をしました。

 

  • 準備運動5分
  • ショートラリー1ゲーム勝負10分
  • 半面ストレートラリー1ゲーム勝負15分
  • 前述のテーマ勝負20分
  • サーブ打ちっぱなし練習10分
  • サーブからの試合40分

 

私は球出し練習はたまにしかやりません。その代わりラリーをベースにした勝負ばかり。前述の通り、それがテニスであり、それがテニスの一番面白いところだからです。

 

しかもルールの範囲であれば勝つために子どもたちはどんな戦術を使ってもOK。テーマを意識する時間はありますが、それ以外の時間は子どもたちに自由を与え、チャレンジしたことを褒めまくります。

 

その結果、意志のあるクリエイティブなプレーが続出。子どもたちもそれが楽しくて私のクラスにきてくれます。

 

コーチの私は子どもたちに驚かされるばかり。

 

「おぉー!そこでそー来たか!ナイスアイデア!」

 

例えミスとなってもそんな風に反応することばかりです。だからこっちも本当に楽しい。

 

一般ジュニアのコーチ業は、私にとっての本当の天職です。

 

それではまた!