死ぬとき笑う

だから、自分に正直に、自分のために。

試合中に意識すべきこと

テニスや卓球、バドミントンのシングルスのように1対1で勝敗を競うスポーツのアマチュアプレーヤーには次の2つのタイプがいると考えています。

 

  1. 自分と戦っている人
  2. 相手と戦っている人

 

自分と戦っている人とは、自分のプレーに意識が向いている人です。例えば、自分のプレーの質を高めるために、試合中に「足を動かす」「ボールを観る」といった自分のやるべきことを考えている人です。

 

相手と戦っている人とは、逆に相手のプレーに意識を向けている人です。例えば、「相手はこっちを待ってるな。ならこっちに打とう」「相手はここが苦手なんだな。ならそこを狙おう」といったことを試合中に感じとっている人です。

 

厳密にはそこにはグラデーションがあるので、例えば、相手と戦いながら自分と戦っている人もいます。

 

結論を先に言うと、試合ではやはり相手と戦った方が勝率を高められると私は自分の経験からも感じています。

 

実は私は、不器用だったこともあり、つい最近まで自分と戦ってばかりいました。

 

相手と戦う感覚をつかみ、できるようになり、その世界を深く理解できたのはごく最近のことです。

 

これに気づけたら、ただでさえ大好きなテニスをこれまで以上に面白いと思えるようになりました。

 

さて、自分との戦いをしている人は、技術レベルが十分でないからとそうなると考えていると思います。

 

確かに、打ち方を考えなくても打てるようになれれば相手と戦いやすくなるのは間違いありません。

 

ところが、私はコーチをしていたり、去年の横浜市民大会や今年の神奈川県選手権のシングルス40才以上で3位になっていたりするのに、ずっと自分との戦いをしていました。

 

つまり、私は、相手と戦うために必要な技術力があるにもかかわらず、自分との戦いを続け、必要以上に苦労していた悪い例ということです。

 

これに気づき克服できた時、これは私だけではないかもしれないと思いました。

 

現に、相手と戦える技術を持ち合わせているのに、以前の私のように自分と戦い続け、必要以上に苦労してしまっている人がいました。

 

自分と戦ってしまう人は「動きを言葉で教え込まれてきた人」「動きを意識してテニスをしてきた人」と考えています。

 

ここでいう「動き」はフォームや打ち方と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。

 

例えば、ゴールデンエイジといわれる運動能力が著しく発達する5〜12才(年長から小学6年生)の子どもにテニスを教える時、動き方を言葉で伝えてやらせるとどんどん不自然な動きになります。

 

それよりもお手本を見せて「こんな感じ」と伝えた方が自然な動きをします。

 

理由は、子どもは動きを言語化して脳が身体に指令を出して動くということに慣れておらず、例えば、大人が歩く姿や走る姿を見て真似してみるということを日々やっていてそれに慣れているからです。

 

また、ある程度打てるようになり試合をするようになる頃には、例えば「試合では相手が想定していないコースに打つことを心がけよう」と伝えて試合をやらせた方が、打ち方を意識させて試合をしている時より良いプレーをしたりします。

 

これも、子どもは動きより感覚やイメージを意識した方が自然な動きができるからです。

 

なので、この子どもの能力をわかっているコーチの元で子どもの頃からテニスをしている人は、初めた時から自分との戦いをしていません。

 

試合をする頃には初めから相手との戦いをしています。

 

自分と戦ってしまう人の多くはこのケースに当てはまらない人たちです。つまり、ゴールデンエイジを過ぎた中学時代以降に動きを言語化した指導を受けてきた人です。

 

私がテニスを始めたのは中3の冬でした。また、自分がスクールコーチとなり動きを言語で教えることこそが正しい指導と信じていた期間が長かったので尚更でした。

 

最後に、そんな私が自分との戦いから卒業できたきっかけを紹介します。

 

そらは、紆余曲折あり「対話」という言葉にたどり着いた時です。

 

なぜか私は「試合中は打ち合いながら相手と対話することで、相手が何を待っているかわかるようになるから逆をついたりミスを誘えたりする」という解釈に自分で気づけてから、すぐに相手と戦えるようになりました。

 

それまでは、例えば「相手の苦手を分析してそこを攻める」に挑戦したこともありますが、効果的なプレーができた試しはありませんでした。

 

そう考えると配球が不自然になり、狭いところを狙い自分が先にミスをしてしまうのです。

 

ところが、対話ができるようになると、相手から苦手な方を狙われたくないというメッセージを受け取るため、それを利用した配球、例えば、苦手な方を狙うと見せかけて逆に打つといったことができるようになりました。

 

今日書きたかったのは以上です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!