死ぬとき笑う

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親が子を無自覚に洗脳する例

昨日の投稿で、私の息子が勉強好きになったのは妻の働きかけが大きく影響している、具体的にはこんなことをしている、という話をしました。

 

そこには良い洗脳ともいえる声がけも含まれていましたが、今回はその逆、私がテニススクールでコーチをしていて、たまに見かける親が子に無自覚にする悪い洗脳の具体例をひとつ紹介します。

 

「いやいや、うちの子が試合に出るなんてとんでもない」

 

これは、私の経験上、一番よく耳にする悪い洗脳フレーズです。

 

レッスン後にジュニアクラスの生徒のお母さんと話すことがあります。その場には、その子本人もいてその話を聞いています。

 

ジュニアの中には、まだ試合に出たことはないし、打つフォームも整っているとはいえないけど、テニスで相手に勝つことの面白さに気づいていて、密かにテニスの虜になっているという子がいるものです。

 

コーチはそういった子の内に秘める闘志を感じることが少なくありません。

 

子どものタイプによっては、その闘志をあらわにはせず、むしろ隠そうとしているような子もいます。

 

このような子がいて、「真剣勝負を経験してみよう!」といった趣旨のビギナー向けジュニア大会のようなイベントがあれば、コーチはその子のお母さんにレッスン後の立ち話でそれを案内します。

 

前述のセリフが放たれるのはその時です。この場合、お母さんご自身がその子の内なる闘志に気づけていないケースがほとんどです。

 

そして、それを聞いた子どもはどうなるのか、考えたこともないのだろうと思います。

 

「あ、ママは僕のことをそう思ってるんだ。自分は試合に挑戦するようなタイプではないのか。そっか。そうかもしれない」

 

このような自己洗脳を子ども自身も無自覚にしてしまいます。

 

お母さんがこのフレーズを口にしてしまった時、私は全力でフォローします。

 

「お母さんはそうお思いかもしれませんが、実はそんなこともないんですよ。テニスに取り組む〇〇くんは真剣そのものです。それは家で見せる姿とは違うのかもしれません」

 

しかし、コーチがどれだけフォローしても、子どもの心に刻まれた「ママは僕のことをそう思ってる」を消すことはできません。

 

それくらい、親の影響力は大きいものです。

 

親は、日常の何気ない一言が、子どもの人生を180度変えることもあることを理解し、普段からもっと、どう接すると良いか深く考えることを私はおすすめします。